様々な学問や職業に触れる各種キャリアプログラ ム、総合的な学習の時間での研究活動など、成長 段階に応じ6年間で体系的に行うキャリア教育。
生徒の進路実現をサポートする「特進コース」、さ らなる高みを目指す「医進・選抜コース」、2コース制の相乗効果で全ての生徒の向上心を育む。
生徒・教員・保護者の連携を大切に、一人ひとりを尊重した進路指導
〔写真〕 岡村洋子/進路指導部長・国語科
- 進路指導で大切にしていること
これまでの進路指導の実績をキャリア教育の視点から捉えなおしていくことが大切だと考えています。入試難易度と生徒の学力を偏差値で 序列化し、難易度の高い大学や学部を目指すことで進路が決まる時代が長く続きましたが、急速な社会変化のなかで確かな学力を基盤にしながら個別的・主体的に人生をつかみ取る力 が求められています。さらに本校では6年をかけて個々の経験値を高めることや、生徒同士の関わりから多様性を理解することを大切にしています。本校ではアクティブ・ラーニング(AL) の前段として、長年、協働学習に取り組んできたこともその一環といえます。
- 今春、東京大学の推薦入試で合格 した生徒がいますが
彼もALの視点で授業改善が行われた6年間を過ごした生徒です。実は、彼は中学時代 前半、学校に馴染めずに苦しんだ時期がありました。それが、学年を越えた多くの仲間たちと時間を過ごすなかで、どんどん逞しく成長し、高校卒業時には皆勤賞を受けるほどになりました。 その間も吹奏楽部でホルン奏者として活躍するとともに、自宅ではカメレオンやイモリを飼育・ 観察しながら、生き物に関するありとあらゆる書 籍を読了していました。もちろん猛烈な受験勉 強もしましたが、東京大学に学修歴や研究計 画を認めてもらえるだけの実力を蓄える時間と環境が保障されていたことも確かです。たとえスタートはゆっくりでも、6年という成長に充分な時間のなかでクラス担任や教科担当者だけで なく、多様な役割の大人や仲間たちに支えられて育つ、これこそが6年制の意義だと思いますし、生徒と教員の距離が近い本校ならではの進路指導だと思っています。
- 生徒それぞれのキャリアデザイン のために
「キャリアプログラム」(医系など)・「課題別研究活動」を中心に、特定の進路を推奨するのではなく、多様な職業や学問に触れることによって自分自身のキャリアを考えるきっかけを作っています。「偏差値が高いから」ではなく、「 世界に通用する研究者として学問を究めたいから、次のステージは東京大学!」のように、それぞれの興味関心に応じた進路を主体的に掴み取ってほしいと考えています。